注文住宅コラム Vol.2
円徳建工が取り組んでいる「断熱性能」について
近年、CO2排出の削減やSDG‘S、エネルギー価格の高騰などの問題もあり、建物の断熱性能についても注目が高くなっています。
国の基準も徐々に厳しくなり、2025年には住宅の断熱においても一定基準を超える性能を持つことが義務化される予定です。
断熱性能は円徳建工の設計コンセプトに必要な性能
今回はその点について、円徳建工ではどのように考えていて、どんなところを追求しているのかを解説したいと思います。
円徳建工の家は、構造にSE構法を使うことで、大きなリビングや吹き抜けなどの開放的な大空間の間取りを設計可能です。その際には部屋を区切らずに家自体を大きな一つの空間として設計する考え方がべ―スなので、断熱性能も一定レベル以上にしないと住み心地や電気代などに影響します。
家のどこにいても同じような気温で温度差がなく、快適に暮らすための断熱性能が必須となるわけです。
断熱性能を数値化したUA値
現在の日本における断熱性能については、UA値という数値で基準が決まっているということはご存じでしょうか。この数値は、壁や屋根、床、基礎、窓などの建物を覆う部分の断熱性能を数値化して、それを被覆している面積で平均化した数値です。
地域によって、基準が決まっていて、等級も7段階に分けてあります。
また、別基準でHEAT20というものもあり、G1、G2、G3と区分されています。その詳細は以下の表のとおりです。
地域区分 | 1・2地域 | 3地域. | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | |
代表都市 | 札幌市 | 盛岡市 | 秋田市 | 宇都宮市 | 平塚市 | 鹿児島市 | |
等級4 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | |
等級5 |
0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | |
等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | |
等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | |
HEAT20 G1 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.56 | 0.56 | 0.56 | |
HEAT20 G2 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | |
HEAT20 G3 | 0.20 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
地域区分 | 1・2地域 | 3地域. | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | |
代表都市 | 札幌市 | 盛岡市 | 秋田市 | 宇都宮市 | 平塚市 | 鹿児島市 | |
等級4 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | |
等級5 |
0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | |
等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | |
等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | |
HEAT20 G1 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.56 | 0.56 | 0.56 | |
HEAT20 G2 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | |
HEAT20 G3 | 0.20 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
UA値は数字が低い方が性能が高くなります。
この数値を上げるためには、前出の「壁、屋根、床、基礎、窓」等の性能をそれぞれ上げていく必要があります。
壁や屋根、床、基礎については、性能の高い断熱材を厚く張ることで数値は上がります。
窓については、ガラスの枚数や枠の性能を上げることで数値が良くなります。
しかしながら、これらをより高性能にすることで当然コストも上がってしまいますので、どこのラインを目指すのかは工務店やハウスメーカーの考え方次第ですし、最終的にはお客様の判断次第ということになるわけですね。
住宅の断熱方法
また、断熱の方法にも3つのパターンがあります。それぞれ数値以外のメリット・デメリットがあります。
① 充填断熱
建物の外壁の中、つまり柱と柱の間に断熱材を充填する方法です。
メリットとしては、壁の中の厚さいっぱいに断熱材を充填できることがあります。断熱材の選択も幅広い中から選ぶことができますので、選ぶ断熱材よっては比較的安価に施工できます。
デメリットとしては、柱や筋交いの部分は断熱性能が落ちるので、外気温が高すぎたり、低くすぎたりすると、壁の温度が場所によって一定ではなくなる点です。これは住み心地にダイレクトに影響します。
また、断熱材の種類や気密の施工によっては、壁の中に結露が生じて建物の耐久性が悪くなる恐れがあります。金物を使う工法であれば余計に心配な点ですので注意が必要です。
② 外断熱
壁の中には断熱材をいれずに、建物の外側にすっぽりと断熱材を貼る手法です。
メリットは、充填断熱のデメリットである、壁の温度差をなくすということと、壁の中の結露を生じさせないということがあります。また、気密性を上げる施工がしやすいので、総じて気密性に優れた家が多いです。
デメリットは、厚く施工できないので、どうしても高性能の断熱材を使うことになり、コストアップになってしまうことです。また、施工できる厚さに限界があるので、外断熱だけで飛躍的な高性能を求めることは難しいことも現実です。
③ ダブル断熱
充填断熱と外断熱を合わせた断熱方法です。
気密が高く結露がしにくい外断熱をベースに、プラスアルファで壁の中にも断熱材を充填することで、とても高性能な住宅が実現できます。
もちろん、その分コストは高くなりますが、HEAT20のG2や温熱性能等級6の家にする際には,この方法がとても有効です。
円徳建工では、上記のうち標準仕様は②の外断熱工法であり、更に高性能を求める方には③のダブル断熱工法を提案しています。
窓の性能の根拠
窓については、ガラスと窓枠でその性能が異なります。
① シングルガラス
ガラスが一枚だけの窓です。最近の新築ではほとんど見かけなくなりました。
断熱性能はとても低いです。
② ペアガラス
ガラスが2枚あり、その間に空気層があります。最近はほとんどがこのタイプです。シングルガラスに比べて性能は高いです。
更に、この空気層を「アルゴンガス」や「クリンプトンガス」のような特殊な気体を使うことで更に性能は向上します。
③ トリプルガラス
ガラスが3枚になりますので、更に性能はあがります。ガラスの間の気体についても②と同様です。
サッシの枠については4つのパターンがあります。
A アルミ
アルミだけですので、性能は落ちます。まだまだ多く使われています。断熱性能を意識するなら、できれば避けたいです。
B アルミと樹脂の複合
最近増えているタイプです。外側はアルミで家の中が樹脂というサッシです。
樹脂は断熱性能が高いので窓そのものも高くなり、比較的リーズナブルです。サッシメーカーの商品によっては、コストは高くなりますが、樹脂サッシに負けない性能を持つ商品も存在します。
C 樹脂のみ
枠がすべて樹脂製で作られていますので、基本的に断熱性能は更に高くなります。これも近年は徐々に増えてきています。
D 木製
枠が木でできている「木製サッシ」といわれるものです。木は樹脂よりも更に断熱性に優れているので、高性能な窓になります。ただ、コスト面やメンテナンス性に課題があるので、そこを納得された方のみご利用することになると思います。
このように、ガラスと窓枠の組み合わせで、性能の上下も決まります。
サッシメーカーからいろいろな商品が出ており、その断熱性の数値も表示されていますので、断熱材の選択と併せて最適なものを選ぶことが大事だと思います。
ちなみに、円徳建工では、ベースは②の複合サッシとして、ご要望に応じて、③の樹脂サッシをご提案しています。
このように、断熱性については、その数値であるUA値を意識しながら、施工方法や構成をしっかりとお聞きした上で、ご自分のご納得できる家を選んでいただければと思っています。
一年を通して快適で、家のどこにいても温度差のない家、そして、結露などを起こしにくい耐久性に優れた家、そんな家づくりを円徳建工は今後も目指したいと思っております。
そんな家づくりのご興味いただけましたらお気軽にお問い合わせください。