GARAGE HOUSE
注文住宅コラム Vol.3
神奈川県でガレージハウスを建てる時のポイント
最近は住宅雑誌以外のライフスタイル雑誌でも「ガレージハウス特集」をよく目にします。
神奈川県内でも、多くの方が興味を持っているテーマだと思います。
今回はそんな「ガレージハウス」を建てる時のポイントを解説したいと思います。
「ガレージハウス」と「ビルトインガレージの家」との違い
この2つは同義語であり、基本的にそれほど違いはありません。建物の中に間取りとしてガレージスペースをプランニングされた家という点ではどちらも当てはまります。
しかし、最近使われている「ガレージハウス」のイメージは、ただ車庫が家の中にあるというだけでなく、ライフスタイルの点で更に深い意味を持っているようです。
つまり、「建物の中に組み込まれているガレージ(ビルトインガレージ)」が、その家に生活する方にとって、暮らしの中で大きな役割を果たしている家を、「ガレージハウス」と呼ぶのが一般的なイメ―ジだと思います。
そこも踏まえて「ガレージハウス」について解説していきたいと思います。
ガレージハウスのメリット・デメリット
メリット
① 愛車を雨や風から守る
② 防犯的な効果が高い
③ 車を降りてそのまま家の中に入れる
④ 敷地が狭い場合にガレージを確保できる
⑤ 愛車がいつも身近に感じられる
⑥ 愛車を修理できる
⑦ 倉庫としても使える
デメリット
① 施工面積が増えることでトータルの建築費が増える
② ガレージの分だけ居室のスペースが減る
③ 耐震的に弱くなる可能性がある
④ 道路の方向によって間取りが制限される
⑤ 天井の高さが居室と異なる
ガレージハウスのメリット
メリット①②
「愛車を雨や風から守る」「防犯的な効果が高い」
また防犯的なメリットも大きく、雨風だけのことであれば屋根だけで防げますが、盗難防止となるとビルトインガレージは大きな効果があります。シャッターをつければなおさら安心ですね。高価な車や希少価値のある車などを所有される方は特に重要なテーマだと思います。
メリット③
「車を降りてそのまま家の中に入れる」
ガレージの中に車を入れて、そのまま外に出ずに家の中に入れるのはとても便利です。特に雨が降っているときや荷物がたくさんあるときなどは、このようなことができるととても助かります。
メリット④
「敷地が狭い場合にガレージを確保できる」
狭小地の3階建てで、1階部分の一部がガレージになっているプランなどは、多くがこのパターンです。ただ、あくまでも敷地活用なので、完全に車が建物に入っていなくても解決策となり、メリット①②は生かせていないケースも多いかもしれません。
メリット⑤⑥
「愛車がいつも身近に感じられる」「愛車を修理できる」
また、車やバイクをご自分で「改造・修理やメンテナンスをしたい」という方にとって、いつでもそれを実現できるスペースを手に入れることは大きなメリットです。その場合は駐車スペースだけでなく、タイヤや修理道具を置けるスペースや、作業ができる場所の確保も必要となります。そして、そのための設計上の考慮が大事となります。
メリット⑦
「倉庫としても使える」
その際は、これも設計の段階でしっかりと組み込むことが大事です。
ガレージハウスのデメリット
デメリット①②
「施工面積が増えることで建築費が増える」「ガレージの分だけ居室のスペースが減る」
メリットはとても多いガレージハウスですが、当然デメリットもあります。その中でも最も大きなデメリットはコストの問題ではないでしょうか。ここが問題であきらめたという方も多いかもしれません。
ガレージ分の面積を建築に加える訳ですから、その分建物が大きくなり、結果として建築コストがアップするのは当然です。
また、希望する大きさにもよりますが、敷地の面積として難しい場合もあるかもしれません。
そこで、建物全体を大きくせずにガレージハウスを計画するとなると、その分の居室は減らさなければいけません。これもどの方向で考えるかで変わってきます。
そして、コストアップの要因としては、シャッターのコストもあります。どんなものを選ぶかにもよりますが、やはり防犯性やデザイン性・機能性に優れたものはとても高価です。
逆に言えば、シャッターにもこだわるとコストアップではありますが、デザイン的にも機能的にもとてもガレージハウスの質は上がるともいえるでしょう。
デメリット③
「耐震的に弱くなる可能性がある」
ガレージは間口を大きく取りますし、家の中にがらんどうの大きい空間をつくることになるので、構造的にしっかりと考えて設計しないと耐震性を著しく落とすこともあるのです。
1台分のガレージでもそうですが、2台並列のガレージとなると更に注意が必要です。
重量鉄骨造やRC造であれば問題ないですが、コスト的に高くなるので木造にしたいという場合、特に壁で支える在来木造や2×4の場合は、耐震性の問題が非常に大事となります。
その点、当社が採用していてる 「SE構法」は、高い耐震性を維持しながら、木造でありながら大空間や大開口が取れるので、私たちも安心して設計提案できます。
そういう意味でも、できれば木造でガレージハウスを建てる際は、SE構法で建ててほしいと思います。
デメリット④
「道路の方向によって間取りが制限される」
どうしてもガレージの入り口は道路面に向けなければいけません。玄関も同様ですし、リビングなどの日当たりなどを考えた時に、方位によっては設計の間取りが制限がでることもあります。このあたりは、全体をトータルでバランスよく計画することが大事ですので、設計者の腕の見せ所かもしれません。
デメリット⑤
「天井の高さが居室と異なる」
なので、その高い天井を収納的な空間にしたりすることもアイデアの一つです。
また、あえてガレージを低くして、そこで生じる2階の床面と差を利用して、スキップフロアを計画するケースもあると思います。その際は、やはり耐震的に不安が生じるのでしっかりと検証しながらスキップフロアの設計をしてほしいと思います。
ちなみにSE構法であればその点においても構造計算によって安心となります。
その他のガレージハウスのポイント
・敷地の高低差を利用する
その際の注意事項は、基礎の構造設計をしっかりと行うことです。在来木造の場合、基礎の構造計算をやらないで施工することも多いので、要注意です。
・断熱の考え方
ガレージハウスの場合、どこまで断熱するのかという問題があります。
基本的にはガレージ部分は断熱施工しないというケースが多いと思います。その利用方法にもよりますが、そこまで断熱工事を行う必要ないという理由が大きいです。どうしてもシャッター部分の断熱性が落ちることも含まれます。
しかし、もし、ガレージ内を少しでも快適にしたいという方は、コストアップを納得したうえでそうすることも可能です。その際は、シャッターも断熱材が入っている商品で、比較的気密性の高いオーバースライダー式のものを選ぶことをお勧めします。
まとめ
このように、幅広い意味でとても魅力のある「ガレージハウス」ですが、それなりにデメリットも存在します。
建築コストについては、どこまで算出できるかという意味で皆さん自身の問題かもしれませんが、構造的な部分や設計的なところは依頼するハウスメーカーや工務店によってスタンスが大きく変わってきます。
満足するガレージハウスを筆減するためには、業者選びも慎重に進めてほしいと思います。
MDA円徳建工では、ガレージハウスを得意な設計士と、SE構法の構造技術の存在があり、自信をもってご提案できると自負しています。
安心してご相談いただければ幸いです。